シューベルト歌曲集「冬の旅」作品89 D.911(全曲)訳詞
Die Winterreise / Franz Schubert


冬の旅  ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍

※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。


12 孤  独


樅の槍に
生気のない風が吹くと,
暗い雲が
明るい空を過ぎる,

そんなふうに私は
疲れた足で道をたどる.
明るく,愉しげな生活を通りぬけてゆく.
孤独に挨拶を交しもせず・・・・・・

ああ,嵐がなんと静かなことか!
ああ,世界がなんと明るいことか!
嵐がなおも荒れ狂っていたとき,
私はこんなに惨めではなかった.


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